4度目のチャレンジ皇居50キロ

４度目の

チャレンジ皇居50キロ

1989年11月19日　

　今日のチャレンジ皇居は完敗。自分にも相手にも負けた。
　ワースト記録の3時間27分48秒で2位。しかし同じ2位でも雲取山タイムトライアルの2位とは次元の違う2位である。
　レースが続いて心も体も疲れてしまっている。僕が集中力を維持しながらレースに臨むことができる回数は3か月に1回以下だろうと思う。とにかく今日は自分が情けなくなるレースだった。

　スタート地点の桜田門前広場には8:00前に到着。
　今回は一人、利和子さんも子どもたちも学芸会でだめ。重森さんも大武さんもエントリーしていない。さびしい。でも、秀香さんに会った。相変わらずイキイキとしている。少し元気になった。

　スペシャルドリンクを作ろうとして、ゆうべ作っておいたガス抜きコーラを忘れたことに気付き、スタート10分前になって、いつもやっている絆創膏貼り（胸）と石鹸塗りを忘れていることに気付いて、あわててベタベタ貼ったり塗ったりした。
　さらにスタート間際に靴紐を締め直し始め、右足だけ締め直し、そのままスタートしてしまった。3日前に風邪で熱を出したことも気の緩みから来ていると思う。今回は悉く変だった。

　スタートしてすぐ自分が飛び出して2周までトップを走った（これもいつもと違い、自信が無いときのパターン）。そして、前回とばしすぎていた堂下さんが今年は僕の後ろについている。
　30km（6周）まで堂下さんと並走、いろいろなことを二人で話しながら走った。彼は走ることにひたむきな情熱を持っている好青年である。7周目から堂下さんのペースが上がり、僕のペースが落ちた。ジリジリと離れ、そのうちに見えなくなってしまった。
　闘志が湧いてこない。体のだるさと諦め心がペースダウンを認めてしまう。ゴールが遠く感じる時間だった。
　内田さんが逆回りに走って応援してくれた。しかし僕はもうだめだった。

　ゴールして秀香さんと内田さんに愚痴をこぼした。
　誰かに慰めてもらいたい気分だった。

　走り終えて表彰式の前に、内田さんと日比谷通りまで東京国際女子マラソンの応援に行った。宮原選手が苦しい表情で走って行く。みんな凄い闘志で重い足を、苦しい体を運んで行く。また自分が恥ずかしくなってきた。でも気付いたら「がんばれー」と叫んでいた。淳子さんが来た！大声で声援をおくった。
　会場に帰ったら表彰式は終っていたが、山口文明さんがたった一人の表彰式をやってくださった。しょげていたが、嬉しくなった。途中で棄権しようかと何度も思ったが、やめないで走って良かったと思う。
　その後、内田さんに無理を言ってバイクに乗せてもらい、青山通りを走り、国立競技場へ駆けつけた。淳子さんの、素晴らしいゴールシーンをスタンドから見た。また大声を張り上げていた。